何度も「辞めて欲しい」と言ったが、その度に了解したフリをして隠れて吸い続けていた。しかも、隠れて吸うならウマク、俺に気づかれないようにすりゃいいものを、一目で分かるような形跡を残す。
嫁の “やったらやりっ放し” “出したら出しっ放し” のいい加減な性格がアダとなっているのである。
一度たまりかねて「そんなに吸いたいのであれば、吸ってもいいぞ。但し、危ないので隠れて吸うのだけはやめてくれ」と言ったが、それでも嫁は「吸わない」と約束した。
俺からしてみれば、嫁にタバコを吸われるのは事のほか嫌だったが、“そんなに吸いたいのなら”と言う思いでの譲歩だった。
それからしばらくして、俺が仕事から遅くに帰宅したある日。何気に台所へ行くと、流しにタバコの灰が散乱していた。
「??お前タバコ吸ったんか?」と聞くと、何も言わずダンマリを決め込んでいる。
「この前、吸わないと約束したやないか! だからあの時、吸いたければ吸ってもいいぞと言ったんや」
嫁からの口から出た言葉は「あの時はそう言うしかないやん!」
続けて「タバコ吸うのも私やのに、何故認めようとしない?」
あいた口が塞がらんとはこの事で、認めようとしたうえで「吸ってもいいぞ」と譲歩したのに、言うに事欠いてこの言い草。ここでも得意の逆ギレ。
約束したものの「やめようと思ったけど、やめれなかってん。吸ってもいい」と言い出すと思っていたし、言ってきたら素直に認めるつもりだった。
しかし、こんな言い方されたら俺はアカンわ〜!
「認めようとして、嫌なものを最大譲歩したのに何やその言い方は!じゃあ浮気するのも俺やのに、何故認めようとせんのじゃ、ボケッ!!」
俺も混乱して訳の分からない事を叫びながら側にあったテレビのリモコンを投げつけていた。
「お前がタバコ吸うのを俺が我慢すればいいんや。俺が浮気するのをお前が我慢すればいいんや。お互い我慢すると言う事では一緒やないか」
すごい極論というか詭弁と言うか・・・でもこの論法は間違っていないと今でも俺は信じている。
嫁はふてくされて布団に入ったが、俺はバラバラになったリモコンを片付けながら震える体を押さえるのに苦労していた。
子供たちは二人のただならぬ雰囲気に、土曜日はいつも遅くまで起きているのだが、気が付けば子供部屋の灯りは消えていた。
一人ビールを飲みながら、何故二人はいつもこうなのか考えていた。
決して素直に謝らず、二言目には「アンタもやん」と自分が言われているにも関わらず論旨をすりかえるのが常習、言い方もツッケンドンで配慮に欠ける嫁。人の意見や指示にはまったくと言っていいほど耳を貸さず、する事なす事すべてが中途半端。
嫁のそんなところが許せず、むしろバカにされていると感じ、自分のことは棚に上げ嫁の嫌なところばかりを見て、それを包み込めず卑小で大人になりきれない俺。
お互いが当たり前にいて、当たり前を感謝する事が出来ず、いったいいつからこんな事になってしまったのだろうと・・・3本目の缶ビールをあけた頃には、もう夜が白みはじめていた。
嫁の “やったらやりっ放し” “出したら出しっ放し” のいい加減な性格がアダとなっているのである。
一度たまりかねて「そんなに吸いたいのであれば、吸ってもいいぞ。但し、危ないので隠れて吸うのだけはやめてくれ」と言ったが、それでも嫁は「吸わない」と約束した。
俺からしてみれば、嫁にタバコを吸われるのは事のほか嫌だったが、“そんなに吸いたいのなら”と言う思いでの譲歩だった。
それからしばらくして、俺が仕事から遅くに帰宅したある日。何気に台所へ行くと、流しにタバコの灰が散乱していた。
「??お前タバコ吸ったんか?」と聞くと、何も言わずダンマリを決め込んでいる。
「この前、吸わないと約束したやないか! だからあの時、吸いたければ吸ってもいいぞと言ったんや」
嫁からの口から出た言葉は「あの時はそう言うしかないやん!」
続けて「タバコ吸うのも私やのに、何故認めようとしない?」
あいた口が塞がらんとはこの事で、認めようとしたうえで「吸ってもいいぞ」と譲歩したのに、言うに事欠いてこの言い草。ここでも得意の逆ギレ。
約束したものの「やめようと思ったけど、やめれなかってん。吸ってもいい」と言い出すと思っていたし、言ってきたら素直に認めるつもりだった。
しかし、こんな言い方されたら俺はアカンわ〜!
「認めようとして、嫌なものを最大譲歩したのに何やその言い方は!じゃあ浮気するのも俺やのに、何故認めようとせんのじゃ、ボケッ!!」
俺も混乱して訳の分からない事を叫びながら側にあったテレビのリモコンを投げつけていた。
「お前がタバコ吸うのを俺が我慢すればいいんや。俺が浮気するのをお前が我慢すればいいんや。お互い我慢すると言う事では一緒やないか」
すごい極論というか詭弁と言うか・・・でもこの論法は間違っていないと今でも俺は信じている。
嫁はふてくされて布団に入ったが、俺はバラバラになったリモコンを片付けながら震える体を押さえるのに苦労していた。
子供たちは二人のただならぬ雰囲気に、土曜日はいつも遅くまで起きているのだが、気が付けば子供部屋の灯りは消えていた。
一人ビールを飲みながら、何故二人はいつもこうなのか考えていた。
決して素直に謝らず、二言目には「アンタもやん」と自分が言われているにも関わらず論旨をすりかえるのが常習、言い方もツッケンドンで配慮に欠ける嫁。人の意見や指示にはまったくと言っていいほど耳を貸さず、する事なす事すべてが中途半端。
嫁のそんなところが許せず、むしろバカにされていると感じ、自分のことは棚に上げ嫁の嫌なところばかりを見て、それを包み込めず卑小で大人になりきれない俺。
お互いが当たり前にいて、当たり前を感謝する事が出来ず、いったいいつからこんな事になってしまったのだろうと・・・3本目の缶ビールをあけた頃には、もう夜が白みはじめていた。
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